『時計仕掛けのオレンジ』
時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1)
- 作者: アントニイ・バージェス,乾信一郎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/09/05
- メディア: ペーパーバック
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大学生の時に一度読んだものを再読。
当時の読書記録が残ってないのでどんな感想を抱いたか覚えてないorz
なので、実質初読。
とんでもない不良少年のアレックス君がふとした事件で逮捕され、国が新たに導入しようとする犯罪者更生プログラムの被験者となるお話。
このアレックス君、徒党を組んで暴力振るうわ、押し込み強盗するわ、強姦するわのどうしようもない非行少年。しかも15歳て…
そんな彼が逮捕され、犯罪者厚生プログラム「ルドビコ法」を受けることに。
「ルドビコ法」は、被験者にひたすら暴力的な映像や写真を与えることで、暴力的な行為に対する反射的な嫌悪感を植え付ける。そして、社会的に善とされることしかできないように調整されてしまう。
自由意志に基づいて行われた善に意味があると作中の登場人物は言う。
機械的に条件付けされた善しかできないのならばそれは人間ではなく機械。
「自由意志こそが人間の人間たる所以であり、それを奪う権利は誰にもない」作者が言いたいことはこういうことなのかな。
作中、「ルドビコ法」の実施中、嫌がるアレックス君に対して嬉々として暴力映像を流す研究者たちの姿が物語中で一番醜悪。
権力の怖さと暴力性を垣間見た気がしました。
まぁ、アレックス君もやったことがやったことなので、自業自得とも言えるんですが。(ルドビコ法への参加も自分から言っているし)
あと、個人的に心に残ったものが作中出てくる独特なことば。
・ナッドサット
・ブリトバ
・デボーチカ
・ドルーグ etc…
意味が気になる方は本作を読んでみよう。